平成29年度福井県立高志中学校の入学式が行われました

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平成29年4月7日、福井県立高志中学校の第三回入学式が行われ、栄えある第三期生90名の入学が許可されました。
山川校長は式辞において、 今年度の新入生をもって高志中学校は全学年が揃い、勉強に、部活動に大きな力が発揮できる体制が整った。新入生のアイデアと行動力で新たな歴史を切り拓いてほしいと激励し、 これからの学校生活で心に留めてほしいこととして「社会の出来事に関心を持つ」「ふるさと福井によって育まれていることを忘れない」という二点を伝えました。新入生一人ひとりが、90通りの夢に向かって学び、卒業した後に、世界のどこで活躍することになっても、ふるさとを思い、「ふるさとを支える人」になってほしいという旨を伝えました。
入学生代表の水島大輝君は、誓いの言葉として、英語の学習や高志学の学習などの授業を楽しみにしていることや、高志中学生としての誇りと、高い志を持って学校生活に取り組みたい気持ちを力強く述べました。また、在校生歓迎の言葉では、生徒会長の井上開人君が、新入生を加えた270名で、これまで以上の新たな取り組みに挑戦していきたいことや、わからないことや不安なことは、上級生がしっかりとサポートしていく旨を伝え、先輩としての頼もしさを示してくれました。

中学校の入学式に引き続いて、新入生の保護者の皆さんにご出席いただき、PTA入会式を行いました。山川校長はあいさつの中で、「是非ご家庭においても、社会の動きや福井県のことについて話題に出していただきたい」と述べ、子どもたちが「社会の出来事に関心を持つ」ために、学校はもちろんのこと、子どもたちにとって一番身近な社会人である保護者の皆さんからもお話しいただくよう、協力を呼びかけました。

【山川校長式辞 全文】

2月の合格者登校日の頃には、まだ硬く小さなつぼみだった桜も、本日の入学式に合わせるかのように咲き始めました。新たな中学校生活を迎えることとなった平成29年の桜は、皆さんの目に、より一層鮮やかに映っているのではないでしょうか。この佳き日に、福田竜一本校PTA会長様をはじめ、多数のご来賓の皆さまをお迎えし、福井県立高志中学校の第三回目となる入学式を挙行できましたことを、まず、厚くお礼申し上げます。

この入学式をもって第三期生として入学を許可される90人の皆さん、ご入学おめでとうございます。この中学校は2年前の4月に開校した新しい学校です。2~3年生が心待ちにしていた皆さんの入学によって、1年生から3年生まで、すべて揃い、勉強に、部活動に、大きな力を発揮できる体制が整いました。皆さんのアイデアと行動力で、新しい歴史を切り拓いていくことを期待しています。さて、入学式に当たり、これからの学校生活の中で心に留めてほしい事を二つお話しします。

一つ目は、「社会の出来事に関心を持つ」ということです。1年生の皆さんが卒業する6年後、平成35年に、北陸新幹線が金沢から敦賀まで伸びてきます。歴史を遡れば、福井県内を初めて鉄道が貫通したのが明治30年(1897)であることを考えると、百年に一度の大きな交通の変革が目の前に来ていることが分かると思います。新幹線によってビジネスや観光などで多くの人たちが福井県に来るようになり、また、福井県の人たちもこれまで以上に、県外に出かける機会が増えるでしょう。このチャンスを活かすために、福井県を大きく発展させるためのプロジェクトが検討されています。そして皆さんも、この6年間に大きく成長し、県内外、いや国内外に羽ばたいていきます。この6年は、福井県にとっても皆さんにとっても、生まれ変わる準備のためのとても重要な時期になります。福井県はどのように変わろうとしているのか、どのように変える必要があるのか。これを考えるには、国内だけでなく世界の動きをしっかりと把握しなければいけません。それと同時に、皆さん一人ひとりが、自分自身の将来を考える際にも、世の中の動きを知ることが大切です。世界で何が起きているか。日本への影響はどうか。また、福井県にとってどのように関係してくるのか。さらに、それらを踏まえて、皆さんは今、何を行うべきか。大きな大きな社会の動きが、日本、福井県、そして皆さん一人ひとりと、どのように関わってくるのか、広い視野を持って、考える習慣を身につけてほしいと思います。

二つ目は、皆さんが「ふるさと福井」によって育まれていることを忘れないでほしいということです。具体的には、これまで育ててくれた御家族はもちろんのこと、保育所や幼稚園、小学校での活動を支え合ってきたお友達、子ども会や登下校の見守りなどを担ってくれた地域の方々、自然豊かな里山里海湖、そして忘れてはならないのは、古代にまで遡れば越の国の時代から、福井県の礎を築き、支え、そして震災や戦災を乗り越え、幸福度日本一に輝くまでに福井県を高めてきた郷土の先人たち。こうした過去から現代までの数々の労苦の積み重ねの上で、私たちは育てられてきたのです。皆さんは、これまで過ごしてきた地域を離れ、この高志中学校で新たな学校生活を始めます。そして、6年後には大学へ進学し、そして社会へと巣立っていきます。だからこそこの6年のうちに、ふるさとの歴史(とき)、資源(たから)、風土(くらし)についてしっかりと学んでもらうため、「高志学」という学習の時間を用意しています。ただ、福井のことだけを勉強していても、理解を深めるのは限界があります。なぜなら、皆さんのほとんどは、これまでずっと福井で暮らしてきたので、長所も短所も「当たり前のこと」とつい思ってしまうからです。そこで高志学はもちろんのこと、その他の授業の中でも、昔の福井はどうだったのか、全国の他の都道府県、さらに世界各国と比べてどうなのか、歴史的に、地理的に比較することによって、福井県の姿がより鮮明に浮かび上がるような工夫を行いたいと考えています。一つ目にお話しした「社会の出来事に関心を持つ」ことは、即ち「ふるさと福井」を理解することにもつながってくるのです。本日、新たに高志中学生になった90人の皆さん一人一人が90通りの夢に向かって学び、友だちと交流し、楽しく学校生活を送り、卒業した後、日本のどこで、そして世界のどこで活躍することになっても、常にふるさとを思い、願わくは「ふるさとを支える人」になることを期待しています。

さて、本日御参席いただきました保護者の皆様、お子様方のご入学おめでとうございます。高志中学校では、全国の公立、私立の中高一貫校と相互に行き来をしながら交流を深め、新しい福井型の中高一貫教育の実践を重ねております。この入学式に出席している3年生と2年生の皆さんは、これまで、高志中学校の生徒として立派な成果を収めてきました。学校祭などの学校行事やスポーツ・文化活動での活躍に加え、学習面でも素晴らしい成績を挙げています。

一例ではありますが、全国の中高一貫校約600校が受験している全国規模の試験において、一期生(3年生)は入学当初の90位から1年半後には13位に、二期生(2年生)は107位から半年後には28位に大きく躍進しました。本校のような公立学校は100校ほどで、多くの有名私立学校がひしめく中での地方の新設校の躍進に、全国から注目を集めています。また、外国人教員による全国的にも少ないオールイングリッシュの授業など英語教育にも力を入れており、実用英語検定においては、3年生の半分が準2級(高校2年程度)以上、2年生のほぼ半数が3級(中学卒業程度)以上を既に取得しています。より高いレベルでグローバル社会の中で活躍できる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。こうした教育を担う本校のスタッフには、チャレンジする意欲と使命感がみなぎっています。難易度の高いことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く。そしてさらにチャレンジしたい生徒にも、もっとしっかりと理解したい生徒にも、手厚く指導をいたします。中学校教員はもとより、高校の教員全員が中学校の教員を兼務し、総勢約100名のスタッフ、さらには福井県の総力を結集し、お子様方が志す進路の実現を目指します。

保護者の皆さんには、スタッフを信頼いただき、高志中学校の理念、教育活動に御理解を賜りますとともに、お子様たちの学校生活を我々と共に支え、作り上げていただきますようお願い申し上げまして、式辞といたします。

平成29年 4月7日

福井県立高志中学校校長 山川 満寬