3年生が福井県長期ビジョン特別公開討論会へ参加しました

 1月23日(木)、3年生が福井県国際交流会館で行われた福井県長期ビジョン特別公開討論会に参加しました。「『地域の秘密』が未來をつくる~カギを握るKNT(小ネタ)理論とは~」と題して、東京大学社会科学研究所の玄田有史教授、宇野重規教授、中村尚史教授の3名による公開討論に参加しました。
 討論に先立ち、福井県地域戦略部未来戦略課から、20年後の2040年の福井県を描いた長期ビジョンの現段階の案について、人口減少、長寿命化、大交流化、技術革新の4つの切り口から説明がありました。「もっと挑戦、もっと面白く、とんがる」というコンセプトのもと、県民の声を取り入れながら年度内をめどに策定を進めているとの話がありました。
 これを受けて3名の先生方の討論では「『とんがる』とは何か?」、「希望とは何か?」について、3年生の生徒や他の参加者の方々とやりとりを行いながら考えていきました。さらに、玄田先生から「地域の人口減少と言うが、人口が減少したからといってすぐにその地域がダメになるわけではない。『小ネタ』がある地域は持続も発展もする」との話があり、その具体例として、宇野先生から出身地の島根県隠岐島の海士町で「カレーライスに入れるものがないから地元のサザエを入れていたが、これをレトルト化したところ、人気商品となった」ことなど、「ないものはない」を合言葉に、人口わずか2000人の町は衰退どころか非常に元気であるとのことでした。
 公開討論後の質疑応答では、生徒から積極的に手が挙がり、「小ネタは世界規模でも通用すると思いますか?」、「とんがることの生きづらさはありますか?」などの質問が相次ぎました。
 参加した生徒からは、「人口減少を食い止めることを最優先にするのではなく、福井の魅力を発信した結果、人口減少の防止につながっているというような、福井のこれからについて考えていきたいと思いました」、「私は玄田先生の『種を蒔く』という言葉が心に残りました。種を蒔いてもすぐには生えなくてもいい(できなくてもいい)から何粒でも蒔くことで、挑戦することの大切さを感じました。物事を始めるきっかけをつくることが、次のステップにつながっていくと思いました」などの感想があり、今回の討論会への参加が、自分の見方・考え方を捉え直し、これからの自分に生かそうとするきっかけとなったようでした。